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カキ氷とクレープの味
東日本大震災があった時、私の地元の石巻は大変な被害にあいました。
1か月後に東京から実家に帰った時、想像以上の光景に驚きました。
家が津波で流されてしまった友達がいる避難所を訪れた時、子供たちの元気のない様子、また大人達を元気にしようとしているような
姿を見て、「子供を元気にする大人になりたい」と思ったのがキッチンカーを始めた1番のきっかけです。
キッチンカーを始めてから、子供が沢山いる場所に出店し、子供達の声を聞いて商品を開発していこう。
飲食経験がなかった私達は、そんな気持で子供達が沢山来る出店場所を探しました。
「苺は甘すぎない方がいいな」「抹茶は本当の濃いのが好きだな」
子供達の声はとても正直で、私達は苺の甘さを研究し、抹茶の濃さを研究することができました。
私は小さな頃、大人が嫌いだったので、子供達の声がすっと入って来たのかもしれません。
冬場、かき氷からクレープになってからも、「アレルギーがあるんです」と話してくれる子が沢山いて、
アレルギーについて調べたりしました。
調べて行くとナッツのアレルギーは、食べると大変になる子も多いので
いつもドタバタしているキッチンカーの中では、間違えて入ってしまう事を懸念し、
クレープにはナッツは使わない事にしました。
「小さな子供と食べられるクレープはありますか?」
というお母さんやお父さん達も多く、総菜系は優しい味にしたり、焼きいもを離乳食のようにじっくり焼いて
小さなお子様も食べられる味付けにしました。
子供達が食べられたものは、偏食の子供がいる親御さんにはきっと嬉しいだろうなと思ったからです。
大人の方に「ナッツはないんですか?」と言われる事もあるし、
総菜系についても「もっと辛くてもいいな」と言われたりします。
ずっとその大人の声に合わせてない理由が色々あります。
子供達の声には素敵な声も沢山あって
身体の不自由な子が列に並んでクレープを買ってくれ、しばらくしてまた並んでいたことがありました。
「何かあったかな」と心配していたら、一緒に来た親御さんが
「お話してくれたのが嬉しかったみたいでお姉さんに」
とお花のようなまつぼっくりをくれました。
キッチンカーを始めたばかりで悩んでいた私の心に光を灯してくれた出来事でした。
それが凄く嬉しくて、その時に思いついて
チョコバナナのバナナをお花のように並べる事にしました。
お母さんたちの反対を押し切って(親御さんは他のを食べたい)チョコバナナの権利を勝ち取った子供達に。
チョコバナナが好きなみんなに、お花をあげる気持ちで作っています。
自分が素敵だな、正直だな、いいなと思った出来事からクレープを考えています。
飲食をやったことがなかったからこうなってしまったのかもしれません。
震災で大変だった友人達、亡くなった友人、子供達への気持ちが強かったのかもしれません。
娘が小さかった頃、育児で孤独を感じた自分がどこかにいるのかもしれません。
来年丸10年。
色んな事が重なって、心で聞いて来た子供達の声は間違ってなかったんだなと実感しています。
これからも進んでいくために子供達がいる場所に行きたいなと思っています。
