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コーデュロイについて
コーデュロイの生地には昔から惹かれるものがあった。
高校生の時に特に流行りでも無かった細畝のライトグレーのコーデュロイの5ポケットを買ったときも、新卒で入社した洋服屋で太畝のチャコールグレーのコーデュロイのCPOジャケットを初めて社販で買ったときも、その時は理由は考えていなかったが、コーデュロイの持つ品の良さと野暮ったさの同居する独特の風合いに魅力を感じていたように思う。
滑らかな光沢が生む上品さと、ワークウェアにも使われる地厚な生地のもつ粗野な表情。
この相反する二つの性質がコーデュロイに惹かれる理由だ。
いま世の中は何度目かわからないがデニムブームの真っ只中で、ビンテージや復刻やリジッドなどそれぞれのスタイルで皆デニムを当たり前のように楽しんでいる。
しかし皆と同じはつまらないと思うのもまた人で、デニムに替わるものは無いかと考えてみたところ思い当たったのがコーデュロイである。
もちろん古いコーデュロイの作業着で目が飛び出るほど高い値のついたものもあるだろうが、一般にはそれほど人気のある素材、注目されている素材ではない。
だが、コーデュロイはその畝の太さでも全く表情が変わり、シャツからジャケット、コートまで幅広く活用されてきた。
秋冬の素材とも思われがちだが、細畝のリーバイス517をサーファー達が愛用していたように春夏に着ても良い。
またコーデュロイ特有の毛羽立った生地は経年変化により皺や褪色をともなって着る人に寄り添った表情を作る。
まさにデニムのように人々に愛されるに足る資質は十分だと思われる。
このようなコーデュロイの魅力を発信していくにあたって、まず通年で使えるアイテムとしてバッグを製作することにした。
バッグの詳細はまた別の機会に